群れるな

書く前に走れ

【#名刺代わりの小説10選】①「聖の青春」大崎善生

「#名刺代わりの小説10選」を先月久々に考えてた。

https://x.com/verykakuman/status/1768600571899179346?s=46&t=weQCLZZApgbN8TJLZKX6Eg

最初、10冊分まとめて一つの記事にしようと途中まで頑張って書いてたんだけど、「いやこれ何時間かかんねん」と完全にタスク・イズ・オーバー*1になったため、一冊ずつにする。気が向いたら続く。

 

「聖の青春」大崎善生

東に天才羽生がいれば、西には怪童村山がいる

やさしさ、強さ、弱さ、強情さ、奔放さや切なさといった人間の本性を隠すこともせずに、村山はいつも宝石の原石のような純情な輝きを放っていた。村山はその豊かな人間性で人を魅了してやまなかった。

つらい日々もあった。胸躍るときもあった。本書はその愛と闘いの記録である。これは、わずか29歳で他界した希有な天才棋士村山聖の青春の物語である。

将棋のルール全く知らなくても読める。将棋雑誌編集者として将棋界の近くで生活していた著者が書く、天才棋士村山聖の一生。うちに遊びに来る人の9.8割は麻雀しに来るんだけど、よく本貸したりオススメ聞かれたら紹介したりとかしてるんだよな。でもこの本だけは紹介してない。内緒にしてる。絶対紹介したくない。私のようにこの本に影響されて麻雀の勉強はじめて強くなられたら困るため。

……ちょっと、いろいろ書いては納得いかずに消して、また書いてはこれも納得いかずに消してをくり返してうまく書けないな。ノンフィクションというのもあって、簡単に感想書けない。それくらいめちゃめちゃ好きなのよ。この作品の、内容も文章も。

作品のことは語れないので私のことを書くと、これ読んだ後は村山聖のこともっと知りたいと思って調べたり、将棋覚えてみたりもした。

Xで村山聖と検索すると、師匠のツイートや東の天才羽生善治のツイートが目に入ってくる。それ見てまた泣くなどした。この本さ村山聖のあまりの傍若無人ぶりに笑えるんだけど同じくらい泣くんだよな。切ない悲しいとかのやつじゃなくて、師匠の愛情深さと、めちゃくちゃ強い「勝ちたい」って思いの描写に泣く。アツすぎて泣くってあるじゃん。

そして将棋は脳筋な私には不向きであった。覚えたくてコンビニでなんかうすいちっちゃい将棋買ったんだよな。考えること多すぎてイライラしてくるな将棋って。相手が何をどう打つか予想だァ~?知らねえよわかるわけないだろ相手の気持ちとか……。なんだその作者の気持ちを答えろみたいな……国語の問題みたいなこと言いやがって……。はあ……くやしい……。私も西の怪童になりたかったなあ……。将棋って「なんとかな~~~れ~~~」が通じないんですよ。麻雀ならなんとかなることあんのにな。

まあ将棋知ってる人も知らない人も、アツい気持ちがある人もしばらくアツくなってないなって人も、読んでみて。私のバイブルの一つです

*1:タスク・イズ・オーバー:東海オンエアが使う用語で、ラヴ・イズ・オーヴァー/欧陽菲菲 をもじったもの。